低糖質、高タンパク食とビタミンの積極的摂取で10年来の耳鳴りが止んだ
- 2018/04/18
- 11:00
老化による耳鳴りには栄養状態の改善が有効
私は、鍼灸治療と並行して、食養生を指導しています。これが、難治性の耳の疾患に効果を上げています。耳鳴りの方には、首や肩に、異常なほど頑固なコリが見られます。これを鍼灸で治療すると、症状がある程度まで改善します。それに加えて、食事の内容を見直すと、さらに治療効果がアップするのです。
耳鳴りは、多くの場合、「老化によるもの」とされます。実際、加齢とともに現れる耳鳴りや難聴といった症状は、一種の老化現象といえます。
老化が進むことで血管やリンパ管が弱くもろくなり、耳の中はもちろん、末梢の血管に循環障害が起こりやすくなるからです。そして老化には、食事の内容が大いに関係しています。そもそも、高齢になると食が細くなり、栄養が偏りがちになります。
自覚のないまま栄養失調に陥る人も、少なくありません。低栄養は、血管やリンパ管、血液の量や質にも悪影響を及ぼし、全身に波及します。そこで、重要なのが栄養状態の改善です。不足しがちな栄養を補給することで、血管やリンパ管、血液の老化を、ある程度食い止めることができます。すると、老化を原因とする不調や症状が軽快します。
耳鳴りも、その1つというわけです。食養生指導のポイントは、主に2点あります。
- 低糖質・高たんばく食
- ビタミンサプリメントの活用
一方、肉や魚、卵などのたんぱく質は、意外と不足しがちな落とし穴です。たんばく質は全身の細胞をつくる原料になります。特に高齢者は、筋力や体の機能を維持するため、積極的にとる必要があります。「低糖質・高たんばく食」を重要視しているのは、こうしたわけなのです。
キーンという高音の耳鳴りが続々解消!
2のビタミンサプリメントの活用は、あくまで食事で不足する栄養素を補うのが目的です。何が不足ぎみかは耳鳴りが起きている方の食事傾向にもよりますが、1の「高たんばく」食を実践していれば、ビタミンA やB群は比較的とれているはずです。そのため、積極的に摂るべきは、ビタミンCとE です。ビタミンCやEは、抗酸化、血流促進、血管や細胞膜の正常化などの作用があり、老化を防ぐのに大いに役立ちます。
厚生労働省の食事摂取基準による1日の推奨量は、性別や年齢により異なりますが、中高年ならビタミンCは100mg。
ビタミンEは、目安量が6~6.5mg、耐用上限量が650~900mgと、幅があります。
これを踏まえた、? えで、徐々にサブリの摂取量を増やしてもらい、最終的には基準を上回る量にまで持っていきます。症状や体質と照らし合わせて検討するので、一律に1日何gがベストとはいえません。ただ比較的多めのほうが、症状は治りやすくなるようです。
こうして鍼灸治療に食養生を加えたところ、難治の耳鳴りがよくなった方が続々現れました。
いくつかの症例です。60代の女性は、10年来の耳鳴りが悪化して来院。首や肩にコリがあり、食事は高糖質・低たんばくになりがちといいます。
老化による血流の循環障害が耳鳴りを引き起こしている典型と思われました。そこで、首・肩のコリを解消する鍼灸治療を続けながら、食事内容の改善を勧めました。
甘い物は控え、夕食は主食抜きでおかずのみ。サブリでビタミンも補給してもらいました。すると、来院2ヶ月後、治療を始めて4回めに、「10年来、止まったことのなかった耳鳴りが止まっているの! 」と、うれしい報告があったのです。
予想より早く変化が現れたことに、私も驚きました。
40代の女性は、去年から過労ぎみで徹夜もしばしばでした。左肩非常に凝っていて、左耳にキーンという音の耳鳴りがありました。鍼灸治療に加えて食事を見直してもらい、途中からビタミンの補給を開始したところ、劇的に改善。今、耳鳴りはほとんど治まっています。
30代の女性は、突発性難聴をステロイドで治療した経験がありました。治療のあとで、両耳にキーンとい、い高音の耳鳴りを発症。さらに、音がこもって聴こえるといい、「もう薬に頼りたくない」と来院しました。このかたにも、鍼灸治療に加え、サブリの使用も含めて食事の改善を提案したところ、今ではほぼ症状はなくなりました。
サブリの使用は、あくまで補助的で一時的なものですが、栄養状態をぐんと引き上げてくれます。耳の症状で悩む人は、低糖質・高たんばく食と併せて、試してはいかがでしょうか。
http://buzzing.blog.jp/
スポンサーサイト